2012年8月9日木曜日

Dolce&Gabbana (ドルチェ&ガッバーナ)


ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナが生み出す服は、セクシーさとクールさが同居して、まるで南から北までイタリアを詰め込んだようであり、かつ洗練されている。

それも、南イタリア・シチリア出身のドメニコと、北イタリア・ヴェネツィア出身のステファノがファッションの都・ミラノで出会い立ち上げたと聞けば納得。


80年代に設立されたドルチェ&ガッバーナは、現在では既に伝統のメゾンと同列に扱われるほどにラグジュアリーブランドとしての地位を確立しており、大きな支持を得ています。

ドルチェ&ガッバーナの服はセクシーかつトラッドであり、シンプルで洗練されているために着やすいのと、そのブランド自体の若さ故の変化が楽しめる点がその理由ではないかと思うのです。

最初期のレディースはセクシーさが全面に出ていましたが、メンズの開始とともにシンプルさやトラッドな風味が加わり、現在はよりアーティスティックになっていると思います。
公私共にパートナーのドメニコ(右)とステファノ


しかし残念ながら、最近のドルチェ&ガッバーナのイメージはあまりよろしくないと思います。(私だけ?)
と言うのも、一部の人たちの着こなしに原因があります。
女性で言うシャネルみたいな。

D&Gも一緒くたにドルガバと略してお下品に着こなしてるんですよね。
それに一時期、D&Gのコピーがかなり出回りましたね。ただD&Gって書いてあるだけやん!ていう。
これも人気ブランドゆえなんですが。


私がイタリアに住んでいた頃は結構着ていました、ドルチェ&ガッバーナとD&G。しかし日本に帰ってきてからは、イタリアに渡る前にはいなかったはずのドルガバー(今作った言葉)を見かけるようになり、嫌気が差してほとんど着ることは無くなりました。

それに、正直最近のドルチェ&ガッバーナはつまらなかったんですよね。
何と言うか、収まっちゃってる。ハイブランドという枠の中でドルチェ&ガッバーナというラインからはみ出すこと無く、冒険心が見られなかった。
D&Gの方がまだ冒険してて楽しかったですね。

こちらは2012-13A/Wコレクション。
ゴシック調の刺繍が際立つ素晴らしいコレクションですが、どこか物足りない…


かつては、ゴージャスなディズニーTシャツやクラッシュ加工のジーンズ、DGモノグラムなどに度肝を抜かされたものです。

残念ながら、一気に現在のポジションまで駆け上がったパワーと言うか情熱というか…そういうものが感じられなくなっていました。
よく言えば、ブランドとして落ち着いてきたとも言えると思います。別にドルチェ&ガッバーナのやっていることがショボイとは思わないし、やはりトレンドセッターとして重要な位置にいることは間違いないでしょう。
少なくとも日本では、その人気も落ち着いてしまった感がありますが…


最近の二人は、完全なるただのカルチョ(サッカー)好きなカップル。

ACミランのスポンサーをしたり
http://www.dolcegabbana.jp/dg/books/milan-fashion-soccer-players-portraits/
リオネル・メッシのスタイリングをしたり
http://www.dolcegabbana.jp/leo-messi/
チェルシーとパートナーシップを結んだり
http://www.dolcegabbana.jp/chelsea-football-club/
イタリア代表チームにウェアを提供したり
http://www.dolcegabbana.jp/dg/sport/football/italy-national-team/

どんだけカルチョ好きなんだ。もしかしたらカルチョの選手が好きなだけかも知れませんが。
こっちにばっかり力入れてて、本業の方は片手間でやってるんじゃないの?特にメンズ。

なんて思ってたり。


あ、もちろんここに書き述べたことはすべて私見です。
別にドルチェ&ガッバーナが嫌いなわけではありません。むしろかつては大好きでした。
でも、いまや決して好きではないブランドになってしまいました。
妙に大人っぽくて、おとなしくて…

ああ、あの頃の情熱的で力強いドルチェ&ガッバーナよ、戻って来い…



なんて思ってたら戻ってきた!(私の中で)

見よ、これが新生ドルチェ&ガッバーナだ!(抑え切れない興奮)

Dolce&Gabbana 2013S/S コレクション


美しい。
どこか懐かしい南イタリアの情熱と、旅人を思わせるエレガンスをリアルクローズに落としこみ、それが人間的な魅力も引き出すかのような力を感じさせ、かつてない斬新さを生み出している。もはや自分が何を行っているのかわからない!

ドルチェ&ガッバーナらしいエネルギッシュでパッションに溢れたコレクション。
カラフルでゴージャスな、情熱も同時に併せ持った服。

これほどいつまで見ていても飽きないコレクションは久しぶり。
これは間違いなく、新しいドルチェ&ガッバーナの幕開けとなるはず。


さんざ文句言いましたが、それも始めに述べた変化の中にある必然なのでしょう。
そして、また次の変化を見せてくれたドルチェ&ガッバーナ。

もちろん好き嫌いは個人の嗜好の問題であり、それを論じることはあっても否定はしません。
それも含めてのファッションであり、そういう意味ではドルチェ&ガッバーナというデザイナー、そしてブランドは、ファッションの究極の体現者なのでしょうか。


やっぱり大好きです、ドルチェ&ガッバーナ。(手のひら返し)


最後に。
変化の中にあっても、一貫して男をカッコよく魅せてくれるデザイナーです。
Dolce&Gabbana



0 コメント:

コメントを投稿

Random Post